【スキー試乗会レポート2024-2025】elan RIP STICK 96
スキーの基本スペック
スリーサイズ:133-96-114
サイズ展開:161㎝、168㎝、175㎝、182㎝、189㎝
ラディウス:16.8m
エランの定番シリーズのリップスティックは来シーズンも継続みたいです。
でも実は中身がけっこう変わっているらしい。
名前だけは継続ですが積極的に攻めてきたようです。
さて、こちらはセンター幅96mmの汎用性の高いモデル。
リップスティックは左右が決まっているスキーなのでご注意を。
デザインは大人向けの落ち着いた感じが大手らしいですね。
乗ってみた印象
フリーライド~ツアーって用途ではとても使いやすいクセの無い乗り味が魅力と言えますが、強さよりも軽さに振っている印象です。
タフな乗り味ではないのでパワー型の人に向くのかが微妙です。
しかしながら、この扱いやすさは特筆モノです。
エッジ反応も振動抑制も素晴らしい。
それに軽量化をしながらもシッカリ感のある操作性は太い板にチャレンジする人などには最適な気がします。
それでもやっぱり、このカテゴリーは扱いやすいだけに飽きちゃう事に注意して購入するのが大事な気がします。
リップスティックはフリーライドスキーの中でも鉄板シリーズと言えますが、世間の評価と自分の理想とは違うことがあります。
しかしバックカントリーでは様々な雪面状況に出会いますし、登りの事も考えると軽量さも無視できない要素です。
それだけにゲレンデメインで使おうと考えた時に扱いやすさが物足りなさに、軽量であることが高速時のバタつきの原因になったりといった事が起きるものです。
自分の使いたいフィールドのイメージとマッチしているかがこのジャンルのスキー購入の決め手になると思います。
単に第一印象や世評で決めるのはアブナイですね。
個人的にはとてもバランスのとれた良いスキーだと感じました。
もう少し個性的なデザインが好みですが…。
使われているテクノロジー
大手エランはフリーライドスキーにも本気です。
ここではリップスティック96に採用されているテクノロジーを紹介しましょう。
左右非対称設計「アンフィビオプロファイル」
左右が決まっているという根拠になっているテクノロジー。
これはエランだけの独自の板形状になりますが、板の外側にだけロッカーが掛かっているという個性的なアイデア。
しかしかれこれ10年以上もエランをこの形状を採用しているという事ですから、やはり効果はハッキリしているのでしょう。
タージに外側のスキーが良いグリップを生んで、内側のスキーがすんなりと曲がってくれる。
なるほど。
確かに良さそうです。
カーボンデッキテクノロジー
部分的に異素材を組み込んでくるのが最近のフリーライドスキーのトレンドなんでしょう。
とくにチタンとカーボンは単にシートにして挟み込むってだけではなくて力の掛かり具合に合わせた形状にしたものが配置されている事が多くなりました。
とことんまで計算して設計するようになってるんですねぇ~。
このカーボンデッキテクノロジーは以前まで採用されていたカーボンラインテクノロジーの進化版と言ったところでしょうか?
エッジサイドにUDカーボンというテープ状のカーボンを配置しているとのことです。
アウトサイドは短めに。
インサイドには長めにということで左右非対称なスキーだけに独特の処置が施されているようです。
反発とキレを生むための工夫だってことです。
カーボンロッド
板の両サイドになんとカーボンの棒が入っている!
まるでヨネックスのスノーボードみたいだがこんな贅沢な事をやっていても意外に価格は優しい。
軽量化とキビキビした反応に貢献してくれるカーボンがこういう配置になっているのは大手だからこそ出来る事だなぁと思います。
フラックスファイバー
再生利用可能な素材を採用した独自の素材をスキー先端に使用。
天然素材で出来た衝撃吸収素材でスキーの扱いやすさを向上させています。
ロッカー+ノーズの拡大+軽量化=万能
科学の進歩って有難いですね。
こんな人にオススメしたい
やはりスキー全体の完成度は高いです。
特に荒れていても硬くてもコントロールしやすいのは好印象。
また軽量でスキーのテール部分の形状もシールが取り付けやすい形状。
それにゲレンデでも疲れずイロイロな楽しみ方が出来そうなところも良いと思いました。
やはりシーズンを晩秋~初春までと考える人に最適なセカンドカーと言えるかもしれません。
変わりやすい雪のコンディションの時にもこのサイズ感はとても頼りになるでしょうし、ハイシーズンでもゲレンデを楽しむのに申し分ない。
どちらかというと低速~中速くらいの速度で楽しみたい人に向いていると思います。
ビンディングも軽量なテック系でセッティングしたいですね。
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