雑誌『STEEP』出てますよ。
シーズンアウトした人ばかりでしょうが、そんなタイミングでこの一冊はどうですか?
珍しいフリーライド寄りの雑誌
インターネットでのスキー情報サイトの『STEEP.JP』が紙の本を発売中。
昨年も出版していたが、評判が良かったのか今年も出たようだ。
スキーヤー(フリーライド系)としては貴重なスキー業界の出版物ってことで早速通販で購入。
残念ながら一般の書店には並ばないので気になった人はサイトから購入するか、近所に有名なスキーショップがあればそこに行くか。
入手の手段は限られている。
それでもニッチなジャンルで頑張って本を出しているんだから応援したい気持ちはある。

ところで特集は?
特集はと言えば、やはり安定の「来シーズンのギア紹介」ですね。
雑誌の収入源は発行部数というよりも広告が大きいとの事。
それだけに道具の紹介は不可避。
特にこれだけターゲットを絞った広告が打てるんだから各メーカーは必死だろう。
来シーズンへのモチベーション維持には役に立ってくれる一冊となっている。

反面、どうしても提灯記事っぽくなってしまうのも否めない。
どの道具も「万能!サイコー!」
みたいな文章が多いので初心者には不向きな部分も。
紙面づくりは大変なのだろうけれど、昔からカタログ雑誌(2000年代は毎年出てた)を買い続けた身としては少し成長が欲しいとも感じた。
個人的にはレビュアーにお題を出して、それに合わせたセットアップを具体的な文章も交えて紹介するなどの工夫が欲しかった。
「20代のスキー中級者がBCデビューするための道具購入に付き添った場合にどのセットアップを薦める?」
「パウダーは好きだが春のBCロングルートはやってなかったという人にアドバイスを求められたら何を薦める?」
「基礎系からフリーライド系を買おうとしている後輩にオススメするセットアップは?」
「仕事をリタイアして悠々自適にスキーに帰ってきた人がBCに興味を持ったらオススメするのは?」
などレビュアーの主観から少しズラした発想で取り組むと面白かったのでは?と思う。
用具提供を受けているプロから正直な意見を引き出すってのはぶっちゃけ無理な話。
しかし本人たちは実際の現場でツアー参加の人やファンから色々意見を求められている筈。
それだったらリアルな意見が出てきて参考になる内容になったんじゃないかなぁ~って思うのです。
またバックカントリーやフリーライドはスキーの基本セット以外にも必要になる道具も多い。
そういったモノもギア紹介では大きく取り扱って欲しいと思う。
フリーライド系ならば関節サポーターやテーピング、マウスピースに双眼鏡など『やっている人』じゃないと知り得ない情報って多い。
またバックカントリーでもサングラスや日焼け止め、登攀時のフリースグローブや中間着など経験を積んでいかないと知り得ない情報も多い。
それらが『これからやろうと思っている人』の視点で紹介されているともっと面白い雑誌になれる気がする。
そういったおもてなしの心がスキーの裾野を広げるんじゃないだろうか?

ショップでも雑誌でも顧客の大半は業界をよく知った人なのは理解できる。
それだけにスキー業界全体が旧態依然としたイベント設計や紙面作りをしてしまうのは仕方のない事。
でも10年先、20年先を見据えて後進を育ててきてくれた先人達があって今がある。
それを思うと『スキーに興味を持ってこなかった人』をどれだけ多く山に呼ぶことが出来るのか?
そういった課題にもっと向き合っても良いんじゃないかと思います。
とは言え
いろいろ書きましたが、それでもこういった活動が続いていることは、とても嬉しい事です。
自分が子供だった頃を考えるとスキーヤーは激減した。
こういった一冊が少しでもスキーヤーを増やすキッカケになれば良いなぁ~といつも思います。
皆さんもスキーヤーとして業界が賑わって欲しいと考えるなら是非サイトでポチってください。
皆でSTEEP.JPを応援しましょう!
コメント