【2025-2026スキー試乗会レポート】Simply. Recreation.
なんだか最近は20年前のような状況になっているのか?
新興勢力のガレージブランドが海外で雨後の竹の子のように出来上がっているようす。
今回ご紹介するのは『Recreation.』
このブランドを代表する老若男女を問わずスキーを楽しむことを目的としたモデル。
ちょっとコンセプトとしては擦り倒された感じのあるものだが、果たして実力はどうだろうか?

基本的なスペック
試乗スキーの長さ:180㎝
長さ | スリーサイズ | ラディウス | 重量 |
160㎝ | ???/96/??? | 13m | 1.36㎏ |
170㎝ | ???/98/??? | 14m | 1.49㎏ |
180㎝ | ???/100/??? | 15m | 1.65㎏ |
190㎝ | ???/102/??? | 16m | 1.84㎏ |

乗ってみた印象
まず乗ってみて思うのが扱いやすさに全振りした内容になっているということ。
軽さは素材で、ターン性能はシェイプで、汎用性は長さのラインナップの多さで担当している感じ。
足元で軽快に回転するスキーは中級クラスのスキーヤーが自発的にスキーを買う時の大きな動機になるだろうと感じた。
このスキーは見た目は斬新だが内容をどこまでも普遍的な設定にしている。
使用者がとにかく「癖があるな」とか「重いと疲れるかな」と考えないように配慮した印象だ。
確かにこれならば尖ったスキーヤーは選ばなくてもその他大勢には受け入れられやすい。
尖ったスキーヤーはスキー人口の数パーセントだろうから新興ブランドにはマーケットとしてリーチを求めるのはハードルが高すぎる。
戦略的に高価にすることでアピールできた多くの中から、実際の購入者はフルイに掛けられる。
買った人は特別感のあるスキーでエンジョイできるので結果オーライ。
メーカー側もガレージブランドの生産力では多くのオーダーには対応できない。
ビッグカンパニーへのオルタナティブというポジションでビッグカンパニーのようなマーケティングを展開する。
スキー業界も面白いことになってきたなぁ~ってついでに感じました。

投入されているテクノロジー
シンプルな構造であることは半透明のトップシートからも伺える。
あまりテクノロジーに関する情報もホームページには無いようだ。
しかしいろいろな工夫は外観からも伺える。
特に特徴的なテール形状はなんとバックカントリーでの使用も考慮に入れたクライミングスキンを取り付けられる仕様。
また大きめのノーズとソフトなフレックスは雪が降り積もるゲレンデなどでは浮力を与えてくれると思うのでこのスキーを使うフィールドは限定しなくてもよいと思う。
「楽しむこと」に関しては本当によく考えられたスキーだと言える。
こんな人にオススメ

「人とカブりたくない」
「パワー系や基礎系のスキーじゃないスノーサーフを感じさせるスキーが欲しい」
「スキーは1セットあれば十分」
「リゾート全てを楽しみたいので疲れにくいスキーが欲しい」
そんな人にオススメ。
スキーは趣味として拘りだすとドンドン道具が増えていく。
でも一般的なスキーとの関わり方は実はそうじゃない。
個人的にはこの会社のコンセプトは面白いと感じている。
若いころはトップシートのデザインが変わるだけで大騒ぎしていたが、スキーの本質ってそこにあるか?って最近はよく考える。
細分化していくジャンル。
細分化していくスキーのマーケット。
そしてスキーに関わる人の多様化。
時代に向き合ったときにスキー業界も毎年新しいトップシートや新しいモデルを出す必要はないのかもしれない。
大きな会社には大きな会社の理屈があるだろう。
だけどガレージカンパニーはそういったスキマを攻める。
そういった新しい風を吹かせてくれるので有難い。
10年後もスキーはしていたい。
その時にどんな風景が広がっているのか楽しみだ。
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