【試乗レビュー】FACTION DANCER 3|圧倒的な走破性。それでもバックカントリーへ持って行きたくなる

今回試乗したのはFACTION SKISの、「DANCER 3」です。
センター106mm。
今回試乗したサイズは183cm。
そして結論から先に書いてしまうと、今回の試乗会でもトップクラスに良かったスキーです。
特に印象に残ったのが、圧倒されるほどの走破性能と重量のバランス。
荒れた雪面でもスキーが負けない。
速度を上げても安定している。
それでいて、ただ重くて強いだけのスキーではありません。
正直、「これならバックカントリーへ持って行ってもイイな」と思いました。
もちろん超軽量なツアースキーではありません。
むしろ重量だけを見れば、それなりにあります。
でもバックカントリーは登って終わりではない。
登った先で滑るために行くわけです。
その「滑る」を重視するなら、この重量には十分な意味がある。
今回はそんなDANCER 3について書いてみます。

FACTION DANCER 3の基本情報
まずは基本的なスペックから。
- メーカー: FACTION SKIS
- モデル: DANCER 3 Ti
- サイズ展開: 164 / 172 / 178 / 183 / 188cm
- スリーサイズ: 134-106-124mm
- ウエスト幅: 106mm
- ターン半径: 21m(183cm)
- 重量: 約2,100g / 片足(183cm)
- 試乗サイズ: 183cm
- コア: Lightweight Poplar Core
- 補強材: Dual Span Titanal
- 構造: Full Strength Sidewall
- ベース: Sintered Base
- カテゴリー: Freeride / All Mountain
DANCER 3の特徴は、軽量なポプラウッドコアをベースに2枚の薄いTitanalを組み合わせていること。
つまり、軽さだけを狙ったスキーではありません。
しっかりとした安定性。
高速域でのエッジグリップ。
荒れた雪面を突破する走破性。
こういった部分を重視したフリーライドスキーです。
今回試乗した183cmで重量は約2,100g / 片足。
バックカントリー専用スキーとして考えれば決して軽くありません。
でも実際に滑ってみると、この2,100gにはちゃんと意味がある。
そう思わせてくれました。
DANCER 3を試乗した印象
まず感じたのは、「メチャクチャ走るな」ということ。
荒れた雪面へ入ってもスキーが負けません。
細かな凹凸。
雪質の変化。
少し重くなった雪。
こういった場所でもスキーが必要以上に暴れず、そのまま前へ進んでいきます。
そして速度を上げても安定している。
ここはTitanalを使ったDANCERらしいところでしょう。
でも面白かったのは、ただ重くて安定しているだけではない。
ということ。
スキーを動かそうと思えば、ちゃんと動く。
センター106mmという太さも極端ではありません。
だからゲレンデでもオフピステでも使いやすい。
そして乗っているうちに、「これ、BCへ持って行ったら相当面白いんじゃない?」と思いました。

DANCER 3の良い点
圧倒的な走破性能
まず一番印象に残ったのがコレ。
とにかく走破性が高い。
荒れた雪面へ入ってもスキーが簡単に負けません。
スキーそのものに芯がある。
速度を上げても落ち着いている。
雪面から力を受けても、そのまま前へ進もうとする。
こういうスキーに乗ると、ラインを簡単に変えなくて済みます。
荒れているから避ける。
雪が重いから速度を落とす。
そういう判断をする前に、「このまま行けそうだな」
と思わせてくれる。
フリーライドスキーとして、これはかなり頼もしい。
重量と滑走性能のバランスが素晴らしい
そして今回一番評価したいのがここです。
183cmで約2,100g / 片足。
数字だけを見れば軽量スキーではありません。
バックカントリー用なら1,500~1,800g程度のモデルも普通にあります。
でも、軽ければ良いという話でもない。
軽くすれば登りは楽になります。
その代わり滑走時の安定感や走破性を失う可能性がある。
DANCER 3は逆です。
登りで多少の重量を受け入れる代わりに、
下りの性能をしっかり残している。
個人的には、この考え方がかなり好きです。
バックカントリーへ行く目的が「登ること」ではなく「滑ること」なら、この2,100gは十分選択肢になると思います。
センター106mmが使いやすい
センター106mmという太さも絶妙です。
パウダー専用というほど太くない。
でも降雪時には十分な浮力を期待出来る。
ゲレンデでも使える。
オフピステにも入れる。
そしてバックカントリーにも持って行ける。
この辺りは以前試乗したAgent 3にも通じるところがあります。
ただDANCER 3の方が明らかに、「滑りを重視した106mm」という印象。
登りの軽快さならAgent。
下りの走破性ならDANCER。
そんな選び方も面白いと思います。
上品なグラフィックがイイ
そして個人的にかなり好印象だったのがデザイン。
派手ではありません。
むしろ地味。
でも、よく見るとカッコいい。
色の使い方。
ロゴの配置。
全体のまとめ方。
主張しすぎないのに、ちゃんとFACTIONらしさがあります。
若い人だけに向けたグラフィックでもない。
中年以上が履いても違和感がない。
個人的にはこういうデザインが好きです。
地味だけど、こだわっている。
そんな感じ。
ソールまでキレイ
トップシートだけではなく、ソールのカラーもキレイ。
ここも好印象でした。
普段滑っているとソールなんてほとんど見えません。
でもスキーを担いだとき。
クルマへ積むとき。
チューンナップするとき。
ジャンプしたとき。
意外と見える。
こういう見えない部分までちゃんとデザインされていると、
道具としての所有感が上がります。
完全に性能とは関係ありません。
でもスキーを買う理由なんて性能だけじゃありませんからね。
DANCER 3の悪い点
バックカントリー専用としては重い
良い点で重量とのバランスを褒めました。
でも、2,100gは2,100gです。
登れば当然重い。
長時間のツアー。
標高差の大きなルート。
登り返しの多い行程。
こういった状況なら、軽量ツアースキーの方が圧倒的に楽でしょう。
だからDANCER 3をバックカントリーで使うなら、登りより滑りを優先する人向け。
ここはハッキリしています。
登りで体力を温存したい人にはAgentシリーズの方が向いていると思います。
トップシートの傷が心配
そして個人的にちょっと気になるところ。
FACTIONのトップシートって傷が目立ちやすい印象があるんですよね。
今回のDANCER 3は落ち着いたキレイなデザイン。
それだけに傷が入ったときが少し心配です。
特にバックカントリーで使うとなると、スキー同士が当たる。
岩や枝に触れる。
担いで歩く。
ゲレンデだけで使うより圧倒的に傷が付きやすい。
スキーは道具なので傷が付くのは当たり前。
それは分かっています。
でも、キレイなスキーほど最初のキズが悲しい。
人間とは面倒なものです。

Agent 3とは似ているようで結構違う
FACTIONでセンター100mmオーバーのスキーをバックカントリーでも使いたい。
そう考えると、Agent 3との比較は避けられません。
以前Agent 3に乗ったときは、ゲレンデからバックカントリーまで使える汎用性が大きな魅力だと感じました。
DANCER 3も使える範囲だけを見れば似ています。
でも性格は結構違います。
Agent 3は登ることまで含めてバランスを取ったスキー。
一方DANCER 3は、「登りでも使える。でも俺は滑りを妥協しないよ」という感じ。
この違いは大きい。
長い距離を登るならAgent 3。
多少重くても下りを思い切り楽しみたいならDANCER 3。
自分ならそんな使い分けを考えます。
バックカントリースキーとして考えると面白い
DANCER 3はメーカーとしては純粋なツアースキーではありません。
でも今回試乗して、バックカントリー用としてかなり魅力を感じました。
理由は単純です。
下りがメチャクチャ楽しそうだから。
軽量BCスキーに乗っていると、「もう少しスキーが強かったらなぁ」
と思う場面があります。
荒れた雪。
クラスト。
重いパウダー。
春のザラメ。
バックカントリーは毎回フワフワのパウダーではありません。
むしろ面倒臭い雪に遭遇することの方が多い。
そんなときにDANCER 3の走破性能は頼りになりそうです。
2,100gを担いで登る。
それを苦痛と考えるか、下りを楽しむための必要経費と考えるか。
ここで評価が分かれるスキーでしょう。
個人的には後者です。
今回の試乗会でもトップクラス
何本も試乗すると、「良いスキー」には結構出会います。
扱いやすい。
安定している。
軽い。
よく曲がる。
でも、「欲しい」と思うスキーは意外と少ない。
DANCER 3はその中でもかなり上位でした。
今回の試乗会で個人的ナンバー1だったICELANTIC TORRENT 102とは、また違った魅力があります。
TORRENT 102は、スキーと対話しながら自分自身をプッシュしていく面白さ。
DANCER 3は、圧倒的な走破性能に身を任せて、もっと先へ行きたくなる面白さ。
方向性が違います。
でも、「もう一度乗りたい」
と思わせてくれたという意味では、DANCER 3も今回の試乗会でトップクラスでした。

まとめ
FACTION DANCER 3。
かなり良かったです。
圧倒的な走破性能。
高速域での安定感。
センター106mmという使いやすい太さ。
そして183cmで約2,100gという重量。
数字だけを見れば軽くありません。
でも実際に乗ると、この重量と滑走性能のバランスが非常に良い。
そう感じました。
特にバックカントリーで、登りの軽さより下りの楽しさを重視する人。
ゲレンデでも使いたい。
パウダーも滑りたい。
荒れた雪にも負けたくない。
そんな人にはかなり面白い選択肢だと思います。
デザインも派手ではありません。
でも上品。
ソールまでキレイ。
眺めていると、「よく考えて作っているな」と感じます。
唯一心配なのはトップシート。
このキレイなスキーに大きな傷が入ったら、多分かなり凹みます。
でもバックカントリーへ持って行けば傷は付く。
つまり、キレイだから使いたい。でもキレイだから使いたくない。
なかなか困ったスキーです。
それでも今回試乗した中では間違いなくトップクラス。
もし自分が、「多少重くてもいいから、下りを妥協しないバックカントリー用スキーが欲しい」
と考えるなら、DANCER 3はかなり上位の候補になります。
軽さだけではなく、登った先でどれだけ気持ち良く滑れるか。
バックカントリースキーをそういう基準で選ぶ人には、かなり刺さる一本だと思います。



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