【試乗レビュー】2026-2027 ICELANTIC TORRENT 102|今回の試乗会でナンバー1だったスキー

今回試乗したのはICELANTICから2026-2027シーズンに登場する新しいシリーズ、
「TORRENT」
その中で最も太いモデルとなる、「TORRENT 102」です。
今回試乗したのは188cm。
結論から先に言ってしまいます。
今回の試乗会で個人的ナンバー1でした。
ただし、誰にでもオススメ出来るスキーか?
と聞かれれば答えはNO。
むしろ万人受けとは反対側にいるようなスキーだと思います。
最初から簡単に乗れるわけではない。
スキーが何を求めているのか探りながら、自分の乗り方を少しずつ調整していく。
ところが馴染んでくると印象が変わる。
今度はスキーが、「もっと行けるだろ?」と自分をプッシュしてくる。
この感覚がメチャクチャ面白かった。
今回はそんなTORRENT 102について書いてみます。
ICELANTIC TORRENT 102の基本情報
まずは基本的なスペックから。
- メーカー: ICELANTIC
- モデル: TORRENT 102
- シーズン: 2026-2027
- サイズ展開: 171 / 176 / 182 / 188cm
- スリーサイズ: 141-102-124mm
- ウエスト幅: 102mm
- ターン半径: 約19m(182cm参考)
- 試乗サイズ: 188cm
- コア: Beech / Poplar Wood Core
- 補強材: V12 Carbon Matrix / Fiberglass
- ベース: Sintered Base
- カテゴリー: Directional All-Mountain
TORRENTシリーズには88、96、102mmという3種類のウエスト幅が用意されています。
その中で最も太いのがTORRENT 102。
センター102mmということで、ゲレンデからオフピステまでかなり広い範囲を狙えるサイズです。
そして注目したいのが構造。
ブナとポプラを組み合わせたウッドコアに、Icelantic独自のV12 Carbon Matrixを採用。
単純に軽くて扱いやすいスキーを目指したというより、パワー、反発、レスポンスを重視した設計になっています。
実際にTORRENT 102は足元を中心にかなりしっかりしています。
今回試乗した188cmともなると、「誰でも気軽にどうぞ」という雰囲気ではありません。
でも、この少し手強そうな感じが面白かったんです。

TORRENT 102を試乗した印象
最初の数ターン。
正直、「ん?」となりました。
扱えないわけではない。
でもスキーと自分が完全に噛み合っていない感じがあります。
荷重する位置。
スキーへ力を入れるタイミング。
ターンへ入るときの身体の位置。
少しずつ試していく。
すると、「ここか?」という場所が見えてくる。
またターンする。
少し修正する。
また滑る。
そんなことを繰り返しているうちに、スキーとの距離がどんどん縮まっていきます。
これがメチャクチャ面白い。
言ってみれば、スキーと対話しながら乗り方を探していく感じ。
最初からスキー側が全部やってくれるタイプではありません。
人間側も考える必要があります。
だから乗り始めがとにかくエキサイティングでした。
馴染んでくるとスキーの印象が変わる
そしてTORRENT 102の面白さはここから。
スキーとのタイミングが合ってくる。
荷重する場所が分かってくる。
すると今度は、スキーが自分をプッシュしてくる。
そんな感覚に変わりました。
もっと踏める。
もっと速度を上げられる。
もっと強くターン出来る。
TORRENT 102側に余裕があるので、人間が少し頑張るとスキーがちゃんと応えてくれます。
そして、「だったらもう少し行ってみよう」という気持ちになる。
スキーに助けてもらうというより、スキーと一緒に自分の限界を少しずつ押し上げていく。
個人的にはこういうスキーが好きです。

TORRENT 102の良い点
スキーと一体になっていく過程が面白い
TORRENT 102で一番印象に残ったのは性能そのものではありません。
乗り手がスキーを理解していく過程が面白い。
ここです。
最初から100点の滑りをさせてくれるスキーではない。
だから、どこに乗ればいい?
どのタイミングで踏めばいい?
どれくらいスキーを走らせればいい?
そんなことを考えます。
そして少しずつ答え合わせをしていく。
スキーと人間が噛み合った瞬間、「なるほど。こういうことか!」となる。
この感覚は、扱いやすさを最優先したスキーではなかなか味わえません。
踏めば踏むほど頼りになる
TORRENT 102は乗り手が積極的になるほど面白くなります。
スキーへしっかり入力する。
すると反応が返ってくる。
さらに入力する。
まだスキーには余裕がある。
この繰り返し。
自分がスキーをプッシュしているつもりだったのに、気が付けばスキーの方から、
「もっと出来るだろ?」
と言われているような感覚になります。
これは頼もしい。
自分の滑りを楽にしてくれるスキーというより、自分の滑りを一段上へ引き上げようとしてくれるスキー。
そんな印象でした。
センター102mmという絶妙な太さ
そして個人的にかなり魅力的なのがセンター102mm。
ゲレンデ主体でも十分使える。
でもオフピステへ入っても細すぎない。
降雪後のゲレンデ。
荒れたバーン。
ツリーラン。
バックカントリー。
一本でかなり広い範囲を狙えます。
しかもTORRENT 102は単純な万能スキーではありません。
幅広い状況に対応しながら、しっかり性能を引き出して滑る楽しさも残している。
ここが面白いところです。
グラフィックが素敵
そしてグラフィック。
これもかなり好印象でした。
ICELANTICは以前からグラフィックにかなり力を入れているメーカーですが、TORRENT 102もイイ。
性能だけでなく、「所有したい」と思わせるデザインです。
スキーは何年も使う道具。
毎回クルマから降ろす。
リフト待ちで眺める。
休憩中にも目に入る。
だから個人的にはグラフィックも立派な性能の一つだと思っています。
TORRENT 102の悪い点
決して万人向けではない
ここはハッキリ書いておきたい。
TORRENT 102は、
誰にでもオススメ出来るスキーではありません。
特に今回試乗した188cm。
スキー側にもそれなりの強さがあります。
何となく乗っていればスキーが勝手に気持ち良く曲がってくれる。
そんなタイプではありません。
乗り手側から積極的にスキーへ働きかける必要があります。
だからこそ面白い。
でも、それを面倒だと感じる人には合わないと思います。
中級者以下にはオススメしにくい
個人的には中級者以下にはあまりオススメしません。
理由は単純。
TORRENT 102の面白いところまで辿り着きにくいと思うから。
スキーの反応を感じる。
自分のポジションを修正する。
荷重のタイミングを変える。
スキーから返ってきた力を次のターンへ繋げる。
ある程度こういったことが出来るようになって、初めてTORRENT 102との「対話」が始まると思います。
ただ滑り降りるだけなら、もっと楽なスキーがあります。
わざわざTORRENT 102を選ぶ必要はありません。
スキーの性能を引き出すためにじっくり向き合いたい人向け
TORRENT 102を購入するなら、
一本のスキーと長く付き合いたい人。
そんな人が良いと思います。
一日乗って、「なんか乗りにくいな」で終わらせない。
二日目。
三日目。
五日目。
十日目。
乗るたびに自分のポジションを変えたり、荷重の仕方を変えたりする。
そうやって、自分なりのTORRENT 102の乗り方を見つけていく。
そんな付き合い方が面白そうです。
逆に試乗してすぐ扱いやすかったスキーを買いたい人には、あまり向かないかもしれません。
手間が掛かります。
でも、その手間まで含めて楽しめる人にはかなり面白いスキーだと思います。

ゲレンデで死ぬほど滑って、そのままバックカントリーへ行きたい人
そしてTORRENT 102が一番似合うのはどんな人か?
個人的には、「ゲレンデで死ぬほど滑る人」だと思います。
朝から滑る。
リフトが止まるまで滑る。
圧雪だけではなく荒れた場所も滑る。
コブも入る。
降ったら脇へ入る。
そして休日によっては、そのままの道具でバックカントリーへも行きたい。
そういう人。
つまり、「一本で楽をしたい人」ではなく「一本を使い倒したい人」。
TORRENT 102はそんな野心家に似合うスキーだと思います。
もちろんバックカントリーだけを考えれば、もっと軽いスキーがあります。
パウダーだけならもっと太いスキーもある。
整地だけならもっと細くて気持ち良くカービング出来るスキーがあります。
でも、全部やりたい。
しかも全部それなりではなく、全部ちゃんと滑りたい。
そんな少々欲張りな人には、この102mmという太さとTORRENTの強さが面白い。
スキーに楽をさせてもらうのではなく、人間側も頑張る。
TORRENT 102はそういうスキーだと思います。
今回の試乗会で個人的ナンバー1
何本も試乗すると、当然ながら色々なスキーがあります。
最初から乗りやすいスキー。
安定感のあるスキー。
軽いスキー。
圧倒的に速いスキー。
どれもそれぞれ良いところがあります。
でも今回、一番、「もう一度乗りたい」
と思ったのがTORRENT 102でした。
理由は単純に性能が高かったからではありません。
まだ分からない部分が残ったから。
もっと乗ったらどうなるんだろう?
もっと速度を上げたら?
もっと荒れた雪なら?
パウダーなら?
バックカントリーなら?
そんな疑問が次々に出てきます。
試乗が終わったのに、そのスキーについてまだ考えている。
個人的には、これってかなり重要です。
スキーとの関係が試乗した一日だけで完結しない。
「もっと知りたい」
と思わせてくれる。
今回の試乗会では、TORRENT 102が一番そんな気持ちにさせてくれました。

まとめ
2026-2027 ICELANTIC TORRENT 102。
個人的には今回の試乗会でナンバー1でした。
ただし、一番乗りやすかったからではありません。
むしろ逆です。
乗り始めはスキーとの距離があります。
自分の乗り方を調整する。
スキーの反応を見る。
また調整する。
そうやって対話を続けていると、少しずつスキーと人間が馴染んでくる。
そして馴染んだ瞬間から、今度はスキーが自分をプッシュしてくる。
これがメチャクチャ面白かった。
決して万人向けではありません。
中級者以下にもオススメしにくい。
もっと簡単に乗れるスキーはいくらでもあります。
でも、スキーの性能をじっくり引き出したい。
自分自身も上手くなりたい。
ゲレンデで死ぬほど滑りたい。
そしてバックカントリーにも同じ道具で挑みたい。
そんな野心のあるスキーヤーには、かなり面白い相棒になると思います。
スキーに自分を合わせる。
スキーも自分に馴染んでくる。
そして最後には一緒になってもっと上を目指す。
TORRENT 102は、「乗る道具」というより「付き合っていく道具」。
そんな印象でした。
今回の試乗会で一番欲しくなったスキーです。



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