【試乗レビュー】J skis FASTFORWARD|性能だけでスキーを選ぶ人には分からない魅力がある

今回試乗したのは、J skis FASTFORWARDです。
試乗サイズは174cm。
J skis。
知っていますか?
日本のスキー場で見かけることは、それほど多くないメーカーだと思います。
でも個人的にはかなり好きなメーカー。
というか、筆者自身もJ skisを所有しています。
このメーカー、スキーの性能だけを見て選ぼうとすると少し魅力が分かりにくいんですよね。
J skisの面白さは、「スキーを買う」という行為そのものを楽しませてくれること。
個性的なグラフィック。
アーティストとのコラボレーション。
限定生産。
そして売り切れたら基本的には終了。
欲しいと思って悩んでいると無くなります。
なかなか困ったメーカーです。
そんなJ skisの中でも、ゲレンデを中心に楽しむために作られているのがFASTFORWARD。
実際に乗ってみると、かなり扱いやすいスキーでした。
でも、それだけなら他にも選択肢は山ほどあります。
ではなぜJ skisを選ぶのか?
今回はそこも含めて書いてみます。

J skis FASTFORWARDの基本情報
今回試乗したのはFASTFORWARD V1。
基本スペックはこんな感じです。
- メーカー: J skis
- モデル: FASTFORWARD V1
- 試乗サイズ: 174cm
- スリーサイズ: 124-92-111mm
- ウエスト幅: 92mm
- コア: Maple Wood Core
- 補強材: Light Metal Titanal Laminate
- 構造: サンドイッチ構造
- カテゴリー: Frontside / All Mountain
センター92mm。
今となっては細めのオールマウンテンスキーという位置付けでしょう。
J skisのラインナップの中でも、ゲレンデでのグリップやターン性能を重視したモデルです。
ちなみに現行FASTFORWARDはモデルチェンジしてセンター88mmになっています。
さらにゲレンデ志向を強めたようなモデルになっていますので、今回の記事はあくまで筆者が試乗したV1についての感想です。
FASTFORWARDを試乗した印象
乗って最初に思ったのは、「普通に乗りやすいな」でした。
悪い意味ではありません。
ターンへの入りも自然。
スキーを動かすのも難しくない。
それなりに速度を出しても楽しめる。
でも、「このスキーにしか出来ない何か」が強烈にあるわけでもありません。
今回の試乗会ではTORRENT 102やDANCER 3、FREERIDE 108のような強烈に印象へ残るスキーにも乗りました。
それらと比べるとFASTFORWARDはかなり普通です。
ただ、この普通さが悪くない。
朝イチでカービングを楽しむ。
少し荒れてきたら地形で遊ぶ。
コブにも入る。
仲間とダラダラ滑る。
そして夕方まで遊ぶ。
一日ゲレンデで遊ぶためのスキーとして考えると非常に使いやすい。
そんな印象でした。

FASTFORWARDの良い点
とにかく扱いやすい
FASTFORWARD最大のメリットは、
扱いやすさ。
だと思います。
スキー側から、「もっと踏め!」
「もっとスピードを出せ!」
「ちゃんと乗れ!」
と要求される感じがあまりありません。
だから気楽。
それでいてターンを楽しもうと思えば、ちゃんと応えてくれます。
ガッツリ滑ることも出来る。
でも一日中ガッツリ滑らなくてもいい。
この辺りのユルさはJ skisらしいところなのかなと思います。

カービングもレジャースキーも楽しめる
FASTFORWARDはゲレンデ中心で使うなら、かなり使いやすいスキーだと思います。
朝イチのキレイなバーンではターンを楽しむ。
昼になったら仲間と適当に滑る。
端っこの地形を見つけたら遊ぶ。
コブがあったら入ってみる。
そんな、「普通のスキー場遊び」に非常に向いています。
競技的にターン性能だけを追求するスキーではない。
フリーライドモデルほどオフピステへ振っているわけでもない。
だからこそ、ゲレンデでいろいろ楽しみたい人にはちょうどイイ。
そんなスキーです。
FASTFORWARDの悪い点
スキー単体では際立った特徴が少ない
これは良いところの裏返しです。
FASTFORWARDには、圧倒的な何かがありません。
高速安定性ならもっと強烈なスキーがあります。
カービング性能だけなら専用モデルがあります。
パウダーならもっと太いスキーがあります。
軽さならツアーモデルがあります。
つまり性能だけを比較して、「FASTFORWARDじゃなきゃダメ!」
となる理由は、それほど多くない。
でも、J skisって多分そういう選び方をするメーカーじゃないんですよね。
ここから話が少し変わります。
J skisというメーカーが面白い
J skisの大きな特徴が、限定生産。
という販売方法。
さまざまなアーティストとコラボレーションしたグラフィックを展開し、それぞれ生産数が決まっています。
しかも一本一本にサインとシリアルナンバーが入る。
そして、売り切れたら終了。
人気グラフィックだから追加生産しましょう。
なんてことは基本的にありません。
つまり、「これイイなぁ~」
と思って、「来シーズン買おうかな」
なんて考えていると、来シーズンにはありません。
非常に商売が上手い。
そして困る。
スキーなのに「作品」を買う感覚がある
J skisを見ていると面白いのが、性能とは別のところで欲しくなること。
新しいグラフィックが発表される。
見る。
「なんだコレ?」と思う。
しばらく見る。
また見る。
そして、「ちょっと欲しいな……」
となる。
危険です。
普通ならスキーを選ぶとき、センター幅。
重量。
ターン半径。
ロッカー形状。
フレックス。
そんなスペックを比較します。
でもJ skisの場合、最初にグラフィックを見てしまう。
性能を調べるのはその後。
完全に順番がおかしい。
でも趣味の道具なんだから、それでもイイと思うんですよね。
日本で見かけないのも魅力
そして日本ではJ skis自体をあまり見かけません。
筆者が知る限り、日本で購入するなら白馬のスキーバム商会が代表的な存在です。
世界的に巨大なメーカーでもない。
量販店へ行けばズラッと並んでいるわけでもない。
スキー場へ行っても同じ板を履いている人と頻繁に遭遇するわけでもない。
それが、ちょっとイイ。
スキーなんて性能だけ考えれば、もっと簡単な選択肢があります。
でも、「それ何?」
と聞かれるスキーを履くのも楽しい。
J skisには、そんなマイナーなブランドを所有する楽しさがあります。

「これだ!」と思ったら買った方がいい
ただしJ skisには問題があります。
限定生産なので、悩んでいる時間があまりありません。
「このグラフィック良いな」
と思っているうちにサイズが無くなる。
翌週見たら売り切れている。
そして二度と買えない。
だからJ skisの場合、性能を徹底的に比較してから買う
という一般的なスキー選びとは少し相性が悪い。
むしろ、「これだ!」と思ったら買う。
ある意味、勢いが重要です。
恐ろしい販売方法です。
性能優先ではなく「欲しい」で選ぶスキー
筆者自身もJ skisを所有しています。
だから分かるんですが、J skisが気になる人って、必ずしも性能だけでスキーを選んでいないと思うんです。
むしろ、「このグラフィック好き」
「限定ってイイな」
「他の人と被らなそう」
「なんかこのメーカー面白い」
そんな理由が結構大きい。
そして個人的には、それで良いと思っています。
そもそもスキーは趣味です。
タイムを競うわけでもない。
仕事でもない。
だったら、所有して嬉しくなるスキーを買う。
という選び方があってもイイ。

それだけに買って大きな損は感じにくいと思う
とはいえ、見た目だけ良くてスキーとしてダメなら困ります。
その点FASTFORWARDは安心でした。
突出した性能は感じません。
でも扱いやすい。
ターンも楽しめる。
一日ゲレンデで遊べる。
つまり、ちゃんと良いスキーです。
だからグラフィックに惚れて買ってしまっても、「見た目だけだった……」
となる可能性は低いと思います。
むしろ、性能面で大きく失敗しにくいからこそ、デザインで選べる。
FASTFORWARDの面白さはそこなのかもしれません。
こんな人にオススメ
FASTFORWARDをオススメしたいのは、
- ゲレンデを中心に滑る
- カービングだけに特化したくない
- コブや地形でも遊びたい
- 難しすぎるスキーは必要ない
- 他人と同じスキーを履きたくない
- スペック以上にデザインや所有感を重視する
- 限定という言葉に弱い
特に最後。
「限定」という文字を見ると急に判断力が低下する人。
かなり危険です。
J skisのサイトを見ない方がいいかもしれません。
まとめ
J skis FASTFORWARD。
スキーとして評価すると、非常に扱いやすいゲレンデ向けオールマウンテンスキー。
という印象でした。
ターンも楽しめる。
レジャースキーも楽しめる。
難しすぎない。
でも際立って尖った性能があるわけではありません。
今回試乗した中で、「性能だけで選ぶならコレ!」
というスキーではないと思います。
でもJ skisの場合、そこだけで評価するのは少し違う。
限定生産。
個性的なアートワーク。
シリアルナンバー。
他人と被りにくい。
そして売り切れたら終了。
こうした全部を含めてJ skisです。
筆者自身も所有していますが、スペック表を眺めて合理的にスキーを選ぶ人より、
「性能も大事だけど、所有して嬉しいスキーが欲しい」
という人に向いているメーカーだと思います。
FASTFORWARDならゲレンデでの扱いやすさもしっかりある。
だからデザインに惚れて買っても、大きく後悔する可能性は低そうです。
そして気になるグラフィックを見つけてしまったら、「もう少し考えよう」は危険。
次に見たときには売り切れているかもしれません。
性能比較を延々やって選ぶスキーも面白い。
でも、見た瞬間に欲しくなって買うスキーが一本くらいあってもイイ。
J skisは、そんな人間の合理性の無さを非常に上手く突いてくるメーカーです。
個人的にスキーは選んだものと協創してスキーライフを豊かにするのが魅力と考えているので
JSKISの哲学は大好きです。
スペックから離れたスキー選び、やってみても面白いでしょう!



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