【試乗レビュー】2026-2027 BLACK CROWS Vena Cor|とにかく楽しい。でも、この形である必要はあるのか?

今回試乗したのはフランスのスキーメーカーBLACK CROWSから2026-2027シーズンに登場する新しいモデル、「Vena Cor」です。
今回試乗したサイズは181.1cm。
まず実物を見て思うのが、「なんだ、この形?」ということ。
センター100mmという太さ自体は珍しくありません。
でもトップは尖っている。
そしてテールには大きな切れ込みが入ったフィッシュテール。
普通のフリーライドスキーとは随分違う見た目です。
ところが実際に乗ってみると、見た目から想像するような難しさは全くありません。
むしろ逆。
メチャクチャ軽快。
曲がる。
ズラせる。
飛べる。
遊べる。
しかもカービングまで出来る。
かなり楽しいスキーです。
ただ乗り終わってから一つ疑問が残りました。
「これ、普通のツインチップじゃダメなの?」
今回はそんな少し変わったVena Corについて書いてみます。

BLACK CROWS Vena Corの基本情報
まずは基本的なスペックから。
- メーカー: BLACK CROWS
- モデル: Vena Cor
- シーズン: 2026-2027
- サイズ展開: 160.1 / 167.1 / 174.1 / 181.1 / 188.1cm
- ウエスト幅: 100mm
- ターン半径: 17m
- マウントポイント: -5cm
- 試乗サイズ: 181.1cm
- コア: Poplar Woodcore
- 補強材: Fiberglass / Full-Length Carbon Strips
- 構造: Semi-Cap / Full ABS Sidewall
- 形状: Double Rocker + Fish Tail
- キャンバー: Classic Medium Camber
- カテゴリー: All Mountain / Freeride / Freestyle
Vena CorはBLACK CROWSの中でもかなり変わったスキーです。
センター100mm。
R17m。
ここだけを見ると比較的普通のオールマウンテン系。
ところがトップとテールを見ると話が変わります。
トップは大きくロッカーしていて、テールには特徴的なフィッシュテール。
さらにマウントポイントは-5cmと比較的センター寄り。
つまり高速で一方向へ突っ走るような硬派なフリーライドスキーというより、
山全体を使って自由に遊ぶためのスキー。
そんな設計になっています。
そして実際に乗ってみても、そのキャラクターはかなり明確でした。
Vena Corを試乗した印象
最初に感じたのは、「軽快だなぁ~」ということ。
181.1cmという長さをほとんど意識しません。
スキーの向きを変える。
ズラす。
小さくターンする。
カービングする。
こういった動作がとにかく簡単。
スキーに何か特別な操作を要求される感じがありません。
だから自然と、
「次は何して遊ぼう?」
という気持ちになります。
地形があったら当ててみる。
小さなギャップがあったら飛んでみる。
ターンの途中でスキーをズラしてみる。
そして整地へ戻ったらカービングする。
そういう滑り方が面白い。
完全に、「遊ぶためのスキー」だと思いました。

Vena Corの良い点
とにかく軽快に扱える
まず最大の魅力はコレ。
扱いやすい。
181.1cmという長さがあるのに、スキーを振り回すような操作でも長さをあまり感じません。
トップとテールのロッカーも大きく、スキーをピボットさせるような動きも簡単。
自分が行きたい方向へ素直についてきます。
一日中乗っていても疲れにくそう。
これはVena Corの大きな魅力だと思います。
飛んだりバターしたりして遊べる
Vena Corは普通にターンするだけではなく、スキーを使って遊びたくなる。
そんなスキーです。
飛ぶ。
バターする。
地形に当て込む。
スキーを横へ向ける。
ちょっとしたギャップを見つけたらジャンプする。
そういうフリースタイル的な遊び方との相性が良い。
マウントポイントが比較的センター寄りなのも、こういったキャラクターに影響しているのでしょう。
それなのにカービングも出来る
面白いのがここ。
遊び系のスキーなのに、
ちゃんとカービング出来ます。
R17mという比較的短めのサイドカットもあり、整地でスキーを傾けていけば気持ち良くターン出来る。
これはかなり楽しい。
朝イチはカービング。
雪が緩んできたら地形で遊ぶ。
脇に柔らかい雪を見つけたら入る。
ギャップを見つけたら飛ぶ。
午後は適当に流す。
Vena Corなら、そんな一日を一本で楽しめそうです。
とにかく疲れずに遊べそう
Vena Corを試乗して感じたのが、「これなら一日遊べるな」ということ。
スキーを力でねじ伏せる必要がない。
スキー自体が軽快に動いてくれる。
だから身体への負担も比較的少ない。
朝からリフト終了までガンガン滑るというより、一日中いろいろな場所をウロウロしながら遊ぶ。
そんな使い方が似合います。

Vena Corの悪い点
チャレンジングな斜面では物足りない
扱いやすさはVena Corの大きなメリット。
でも当然ながら、それはデメリットにもなります。
個人的には、本気で難しい斜面へ挑むスキーではない。
と感じました。
荒れた急斜面。
高速域。
スキーを強く踏み続けなければならない状況。
そんな場面なら、もっと重くて強いフリーライドスキーを選びたい。
Vena Corは難しい斜面を力で突破するタイプではありません。
チャレンジするというより、
遊ぶ。
この言葉の方が似合います。
普通のツインチップに対するアドバンテージが分からない
そして今回、一番疑問に感じたところ。
特徴的なフィッシュテール。
見た目は確かに面白い。
でも、「これが普通のツインチップより何が優れているの?」
と考えると、正直よく分かりませんでした。
飛ぶ。
バターする。
スキーをズラす。
地形で遊ぶ。
カービングする。
こういったことなら、普通のツインチップスキーでも出来ます。
もちろんフィッシュテールによってテール側の抜けやピボット性などに違いはあるのでしょう。
でも今回の試乗では、「この形だからこそ出来る!」という決定的なアドバンテージまでは感じませんでした。
これはもう少し色々な雪質で乗ってみないと分からない部分かもしれません。
値段に見合っているのか?
そして現実的な問題。
Vena Corは決して安いスキーではありません。
BLACK CROWSというブランド。
独特な形状。
カーボンを使った構造。
デザイン。
こういった部分を含めた価格なのだと思います。
ただ性能だけで考えた場合、「この価格を払ってVena Corを選ぶ必要があるのか?」という疑問は残りました。
同じ価格帯まで広げれば、優秀なオールマウンテン系やフリースタイル系のスキーはかなりあります。
Vena Corにしか出来ないことが明確なら納得しやすい。
でも今回の試乗では、そこまでは感じませんでした。
Vena Corを買うなら性能だけではなく
この形が好き。
BLACK CROWSが好き。
この少し変な雰囲気が好き。
そういった部分まで含めて選ぶスキーなのかもしれません。
硬派なスキーではない
Vena Corを一言で表すなら、硬派ではありません。
これは悪口ではないです。
スキーへ真剣に荷重して、高速で斜面を攻略する。
荒れた雪を力で突破する。
自分の限界をプッシュする。
そういう方向ではない。
もっと自由。
今日は何をするか決めない。
面白そうな地形があったら入る。
飛べそうなら飛ぶ。
カービングが気持ち良さそうならカービングする。
疲れたら適当に流す。
「もっと真面目に滑れ!」
と言われたら、「別にイイじゃん」と返してきそうなスキーです。
こういうスキーが一本あっても面白いと思います。

楽しくて疲れないスキーを探しているならオススメ
ではVena Corはどんな人に向いているのか?
個人的には、「とにかく楽しく一日滑りたい人」だと思います。
速さを競わない。
難しい斜面を攻略することだけを目的にしない。
スキー場全体を遊び場として考える。
地形を見つける。
飛ぶ。
バターする。
カービングする。
柔らかい雪にも入る。
そして一日中滑る。
そんなスキーヤーにはかなり面白いと思います。
特に、「強いスキーはもう疲れた」という人。
でも柔らかい初心者向けスキーが欲しいわけではない。
ちゃんと性能は欲しい。
ただもっと気楽に遊びたい。
そんな人にはVena Corという選択肢はアリだと思います。
でも、なぜフィッシュテールなの?
そして最後まで残った疑問。
なぜフィッシュテールなのか?
BLACK CROWS自身は、この形状によって操作性、コントロール、ピボット性能を狙っています。
実際、Vena Corの操作性はかなり高い。
それは間違いありません。
ただ自分が今回乗った限りでは、
フィッシュテールでなければ成立しないスキーなのか?
というところまでは分かりませんでした。
普通のツインチップでも似たキャラクターは作れるんじゃないか?
そんな疑問は残ります。
でも考えてみれば、そこまで合理的に考えるスキーでもないのかもしれません。
見た目が変。
乗ると楽しい。
色々出来る。
それでイイ。
スキーという遊び道具なんだから、合理性だけで全部説明する必要もありません。
その少し意味不明なところまで含めてVena Corなのでしょう。

まとめ
2026-2027 BLACK CROWS Vena Cor。
かなり面白いスキーでした。
とにかく軽快。
スキーを簡単に動かせる。
飛べる。
バター出来る。
ズラせる。
そしてカービングまで楽しめる。
一台でスキー場全体を遊ぶにはかなり面白いスキーだと思います。
一方で、チャレンジングな斜面を本気で攻略するような硬派なスキーではない。
個人的にはここを理解して選ぶことが重要だと思います。
そして特徴的なフィッシュテール。
これが普通のツインチップに対してどれだけのアドバンテージを持っているのかは、今回の試乗だけでは正直分かりませんでした。
さらに価格まで考えると、「本当にVena Corじゃないとダメなの?」という疑問も残ります。
それでも、楽しい。
疲れにくい。
色々出来る。
そしてちょっと変。
このキャラクターが気に入ったなら、Vena Corはかなり魅力的です。
性能表を並べて合理的に選ぶというより、
「なんかコレ面白そうじゃん」で選ぶ。
Vena Corはそんなスキーだと思います。
硬派じゃない。
ストイックでもない。
でも一日中滑っていたくなる。
スキーは遊びなんだから、それも立派な性能です。


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