中年の趣味には、スキーやスノーボードが最適なんじゃないかと思う
40代、50代になってくると、意外と難しくなるのが「趣味」です。
若い頃は、放っておいてもやりたいことがありました。
友人と遊びに行ったり、夜遅くまで飲みに行ったり、車やバイクに夢中になったり、音楽を聴いたり、服を買ったり。
ところが中年になると、少し事情が変わってきます。
仕事は忙しい。
家庭もある。
自由に使える時間も、それほど多くない。
そして何より、
「これ、本当に楽しいのかな?」
と思うことが増えてきます。
そんな中年の趣味として、かなり優秀なんじゃないかと思っているのが、
スキーやスノーボードです。
もちろん私はスキーが好きなので、多少のひいき目はあります。
それでも改めて考えてみると、スキーやスノーボードには、中年になってからこそ感じられる良さがかなりあります。
大人になってから「上達する」経験は意外と少ない
仕事では経験を積みます。
家庭でも、それなりにいろいろなことを経験します。
でも40代を過ぎると、
純粋に何かが上手くなっていく経験
は少なくなります。
スキーやスノーボードには、それがあります。
昨日まで上手く滑れなかった斜面が滑れるようになる。
苦手だったコブを少しだけ攻略できる。
パウダーで転ぶ回数が減る。
ターンが以前より気持ちよくつながる。
ほんの少しの変化なのですが、これが妙にうれしい。
別に誰かに褒めてもらえるわけでもありません。
給料が上がるわけでもない。
家族から尊敬されるとも限らない。
それでも自分では分かります。
「去年より、ちょっと上手くなっているな」
と。
この感覚は、中年になるとなかなか貴重です。
身体を使う趣味なのがいい
中年になると、身体はかなり正直です。
何もしなければ筋力は落ちるし、体重は増えやすくなる。
階段を上れば息が切れ、久しぶりに走れば翌日に身体のどこかが痛い。
残念ながら、身体だけ20代のまま据え置きという便利なサービスはありません。
その点、スキーやスノーボードはかなり身体を使います。
脚力、体幹、バランス能力、持久力。
滑っている本人は遊んでいるつもりでも、身体はかなり働いています。
しかもジムで黙々と運動するのとは違って、
「もっと滑りたいから身体を鍛える」
という目的ができます。
スクワットをする。
ランニングをする。
ストレッチをする。
体重を少し落とす。
すべてが「次に山へ行ったとき、もう少し気持ちよく滑るため」につながります。
健康のためだけに運動するより、ずっと続けやすいと思います。
一人でも成立する
これも中年の趣味としてかなり重要です。
若い頃のように、
「土曜日みんな空いてる?」
と友人を集めるのは、年齢とともに難しくなります。
仕事も違う。
家庭の事情も違う。
休日も違う。
子どもの予定もある。
結果として、中年になるほど友人と予定を合わせる難易度は上がっていきます。
その点、スキーやスノーボードは一人でも成立します。
朝早く車に乗って、一人でスキー場へ行く。
好きな時間に滑り始める。
疲れたら休む。
昼飯も好きな時間に食べる。
満足したら帰る。
誰にも合わせる必要がありません。
もちろん仲間と滑れば、それはそれで楽しい。
つまり、
一人でも楽しいし、誰かと一緒でも楽しい。
これは大人の趣味として、かなり強い条件だと思います。
旅行とセットにできる
スキーやスノーボードの面白いところは、滑ることだけが目的ではないところです。
雪山へ向かう途中のドライブ。
サービスエリアで飲む朝のコーヒー。
知らない町。
温泉。
ローカルな食堂。
帰り道に立ち寄るコンビニで見る二度目があるか分からない風景。
そして、少し疲れた身体で家へ帰る時間。
こうしたものまで全部含めて「スキーに行く」という体験になります。
若い頃は、
「何本滑ったか」
「どれだけ難しい斜面を滑ったか」
みたいなことが重要だったかもしれません。
でも年齢を重ねると、少し変わってきます。
今日は雪が良かった。
昼に食べた蕎麦がうまかった。
温泉が気持ちよかった。
帰り道の夕焼けがきれいだった。
そんなものまで楽しめるようになります。
むしろ中年になってからのほうが、スキーという遊びを広く楽しめるのかもしれません。
道具を選ぶ楽しみもある
そして、ここは大人にとって危険な部分でもあります。
スキーやスノーボードは、道具が楽しい。
板。
ブーツ。
ビンディング。
ウェア。
ゴーグル。
グローブ。
ヘルメット。
バックパック。
気がつけば欲しいものが次々と出てきます。
しかも道具によって滑りがかなり変わる。
これは困ります。
大人は若者より多少お金を持っています。
メーカーもショップも、その事実をよく知っています。
恐ろしい世界です。
ただ、これも趣味の楽しさのひとつ。
新しい板を買って、
「早く雪が降らないかな」
と思う。
この感覚は、子どもの頃に新しい自転車を買ってもらったときと、それほど変わりません。
40代や50代になっても、そんな気持ちになれるものがある。
それだけでも十分価値があります。
年齢に合わせて遊び方を変えられる
スキーやスノーボードは激しいスポーツというイメージがあります。
確かに、激しく滑ろうと思えばいくらでも激しくできます。
でも必ずしもそうする必要はありません。
若い頃のように飛んだり、無茶な斜面へ入ったりしなくてもいい。
圧雪されたバーンを気持ちよく滑るだけでもいい。
景色を見ながらゆっくり滑ってもいい。
パウダーの日だけ出かけてもいい。
バックカントリーへ行く人もいれば、ゲレンデだけを楽しむ人もいる。
年齢や体力に合わせて、遊び方を変えていけます。
これは長く続ける趣味として非常に重要だと思います。
20代と同じ滑りを50代でする必要はありません。
50代には50代の楽しみ方があります。
冬が楽しみになる
個人的には、これがかなり大きいと思っています。
普通に生活していると、冬は面倒な季節です。
寒い。
日が短い。
朝は暗い。
車のフロントガラスは凍る。
洗濯物は乾かない。
人類は毎年よくこんな季節を乗り切っているものです。
ところがスキーやスノーボードをやっていると、
雪が降ることがうれしくなります。
天気予報で雪マークを探す。
山のライブカメラを見る。
積雪量を確認する。
寒波が来るというニュースを見て少しワクワクする。
普通なら嫌われる冬が、待ち遠しい季節に変わります。
一年の中に「楽しみに待つ季節」があるというのは、かなり幸せなことだと思います。
休日に「目的地」ができる
中年になると休日の使い方が難しくなります。
せっかくの休みなのに、何となくスマートフォンを見ているうちに午前中が終わる。
買い物へ行って、昼飯を食べて、家に帰ったら夕方。
もちろん、そんな休日も悪くありません。
でも毎週それでは少し寂しい。
スキーやスノーボードをやっていると、
「今週末は山へ行く」
という明確な目的ができます。
金曜日の夜に道具を準備する。
ウェアを出す。
板を車に積む。
朝早く起きる。
まだ暗い道を走る。
そして山へ向かう。
この一連の行動そのものが、休日を特別なものにしてくれます。
趣味は人生の余白みたいなもの
大人になると、どうしても生活は「やらなければならないこと」で埋まっていきます。
仕事、家事、家族、お金、将来、健康。
どれも大切です。
でも、それだけで毎日を埋めてしまうと、人生は少し息苦しくなります。
だから趣味くらい、
役に立たなくてもいい。
スキーが上手くなっても、ほとんどの人の人生には何の実益もありません。
パウダーをきれいに滑れるようになっても、会社の評価は上がりません。
新しい板を買っても資産価値はだいたい下がります。
それでもいいんです。
朝早く起きて山へ行き、
雪の上を滑って、
「今日は楽しかったな」
と思って帰ってくる。
それだけでいい。
中年だからこそ、夢中になれるものを持っていたい
40代、50代になると、若い頃とは生活が変わります。
自由な時間は減る。
身体も少しずつ変わる。
責任は増える。
だからこそ、
自分が純粋に楽しみにできるものをひとつ持っておくこと
には意味があると思います。
それがスキーでも、スノーボードでも、登山でも、釣りでも、自転車でもいい。
ただ、その中でもスキーやスノーボードは、
身体を動かせる。
上達する楽しさがある。
一人でもできる。
仲間ともできる。
旅行にもなる。
道具選びも楽しい。
そして冬そのものが楽しみになる。
こうして並べてみると、中年の趣味としてなかなか優秀です。
もちろん、お金はかかります。
早起きもしなければいけません。
寒いです。
渋滞にも巻き込まれます。
翌日は筋肉痛です。
それでも雪が降ると、また山へ行きたくなる。
たぶん、そのくらいが趣味としてちょうどいい。
休日は、思っているより少ない。
だからこそ、その休日に「早く行きたい」と思える場所があることは、案外ぜいたくなことなのかもしれません。



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